ペット栄養管理士ブログ

加齢とともに変化する免疫

2017/04/08

免疫セミナーを開催し続けて、さらに奥深く免疫のことがわかってきました。
若いうちには、外から侵入してくる敵に対抗するシステムを強化して生命力を守り、年をとると体内で異常を起こし始める自分の細胞を監視し、排除する免疫システムへの移行が始まっています。
年をとっても身体も心も健康であれば、古い免疫システムがしっかり活躍して身体を守っていてくれるというのは、非常に心強いものです。
免疫の世界に足を踏み入れて学んだことの中で一番よかったのは、「老いを受け入れる」ということができたことです。
誰でもどんな犬でも避けて通れない「老い」。その取り入れ方しだいで、人はもちろんその愛犬の犬生の幕の引き方が違ってきます。
眠るように逝って欲しいと願っていても、つい愛犬が病気したりすると動物病院に駆け込み、先生の言われるままに薬漬けにしてしまうことが多々ありますよね。その状況が続いて、思うように回復しないときに初めて薬漬けにしてしまったことへの後悔の念にかられてしまう。
自然治癒力を高めるためには、まずバランスの取れた食事を与えることは基本中の基本。
なぜなら食した物で身体がつくられ、ひいては免疫細胞がつくられるからです。
ドッグフードは所詮自然に逆らったものであることには違いないです。でも手作りドッグフードを与えたとしても、愛犬家たちすべてが栄養や犬の身体のことを理解しているわけではなく、いつか偏った栄養になりかねません。
犬の栄養失調が課題だった頃と今では大きく状況が変わり、現代ではイメージに訴える戦略に振り回されていることが大半です。
たとえば、アボガドは犬には良くないけれどアボガド入りの製品が存在していることや、関節痛の予防薬や痛みを和らげるためにグルコサミンやコンドロイチンを配合しているドッグフードもあります。
医薬品としてコンドロイチンが使われているといっても、神経痛などに使う注射薬でしか存在せず、そもそも口から摂取しても体内で分解されてしまうので何もなりません。
グルコサミンですが、主原料のN-アセチルグルコサミンの原価はビタミンCの約15倍程で十分な含有量は期待できないと思います。
私たち愛犬家は、TVのCMでイメージされたものを愛犬にも与えようとついつい思ってしまいがちですが、「自然に逆らわない」「自然の力を活かす」ことを念頭に、愛犬と末永く健康に暮らして欲しいと思っています。

自然治癒力を活かしながら。

今、あなたが与えているドッグフード、自然の香りがしますか?