ペット栄養管理士ブログ

免疫の主役は白血球 第2弾

2015/11/18

今回は、前回に引き続き自然免疫の仲間である顆粒球のお話です。
白血球の約60%を占める顆粒球には3種類がありますが、その中で9割以上を占める好中球は、マクロファージが進化したもので、非常に強力な貪食能力と殺菌能力を持っています。
白血球全体の約60%を占める顆粒球ですが、これにはちゃんと理由があります。
わたしたちの体に最も多く侵入してくるのが細菌です。そして、その細菌との戦闘を専門にしているのが顆粒球なのです。
顆粒球は、細菌の中でも比較的大きなサイズのものを処理し、その活動領域は血管の中だけでなく血管の外にもあります。
顆粒球は、細菌やウイルスなどの侵入した敵の周囲に集まり、敵を膜で包みその膜ごと飲み込みます。
飲み込まれた敵は、顆粒球の中で消化酵素と活性酸素によって処理されます。

好中球の闘い









好中球が身体の中に侵入してきた細菌を貪食・消化・無毒化しているところのイメージです。

顆粒球と敵との闘いにおいては、必ず化膿性の炎症が起こり最後には治癒していきます。
傷口が膿んだり、にきびの膿や緑色の鼻水が出たりするのは、顆粒球が細菌と闘い、敵を食べて倒した証拠です。
顆粒球の特徴は、免疫を成立させずに闘いを終わらせることです。
ニキビの原因のアクネ菌も一度侵入したからもう二度とニキビにならないのではなく、また食中毒も一度起こしたからといって再度ならないわけではありません。
顆粒球とリンパ球の比率は常に一定ではなく、顆粒球60%、リンパ球35%という構成比率を基準に変動します。
この比率は自律神経のバランスともかかわり、強いストレスを感じたり、交感神経が活性化されたりする時に増えることが分かっています。
この自律神経のバランスが崩れると、低体温を招き、結果様々な病気が発生します。
免疫の鍵を握る自律神経については、後程お話したいと思っています。