ペット栄養管理士ブログ

免疫の担い手第2弾 B細胞・NK細胞

2015/12/08

今回は、リンパ球の残りの仲間であるB細胞とNK細胞のお話です。

B細胞
B細胞は骨髄で成長した細胞です。
B細胞もマクロファージと同じように抗原提示細胞で、Y字アンテナにぴったりあう敵と一緒になり、細胞に取り込み、倒すべき敵の情報をヘルパーT細胞に提示します。
抗原提示を受けたヘルパーT細胞は、B細胞を戦闘モードにさせる情報伝達物質(サイトカイン)を作り出します。
その刺激によってB細胞はどんどん分裂しクローンを沢山作り、同時に抗体と呼ばれる武器を作り次々とミサイルのように飛ばし始めます。
敵は、武器がくっつくため体の中で悪さができなくなります。
しかし、B細胞も闘うべき相手は一人、と決められています。一つのB細胞が作ることのできる武器(抗体)は1種類です。
例えば、はしかのウイルスを倒せるのは、はしか担当のB細胞、おたふく風邪のウイルスを倒せるのはそれを担当するB細胞だけです。
抗原と抗体は1対1の関係で、これを免疫の特異性といいます。
B細胞は、血液の流れに乗りながら、体内の敵を倒していきます。
B細胞は闘いを終えると一部の仲間を残して死んでいきます。
残されたB細胞は敵や闘い方を記憶して隠れ潜み、同じ敵が侵入してきた時に備え、同じ敵が現れた時に臨戦態勢に入り、最初から効率よく武器を作り素早く攻撃を開始し、病気になるのを食い止めます。

NK細胞
NK細胞のNは、ナチュラル、これは、非特異的で素早く自然免疫に反応するという意味があります。
NK細胞は敵の種類を選びません。ウイルスに感染したての細胞でも、生まれたても癌細胞でも相手を選びません(非特異的)
特異的な獲得免疫のような抗原抗体反応はありません。
NK細胞は、癌細胞やウイルス感染細胞を見つけると、直接敵の細胞にパイプ状の物質を突きさして細胞膜を穴だらけにして、敵を自殺(アポトーシス)させます。
NK細胞が攻撃してもウイルスが増殖する場合は、T細胞やB細胞が活動し始めます。
つまり、T細胞やB細胞による獲得免疫が動き出す前にウイルスを攻撃するのがNK細胞です。

 

NK細胞とがん細胞NK細胞

 

 

 

 

 

 

 


以前のブログにも記載しましたが、このNK細胞は比較的広い範囲の癌を攻撃する免疫細胞として知られています。しかし、残念ながらNK細胞はストレスに弱い細胞です。
それは、NK細胞が抗ストレスホルモンコルチゾールの受容体を持っているため、ストレスが多いと副腎皮質ホルモンから分泌されるコルチゾールを受け止めて、NK細胞は死んでしまうからです。と同時にストレスホルモンが作り出す過剰な活性酸素は癌の発生、増殖、転移に貢献してしまうことにもなりません。
NK細胞にはストレスは禁物なのです。